嫁は一生の恋人 その弐|断らない女

 

大切な人を大切なままでいるために

恋愛や夫婦関係に悩む方がいるのって切ないことです。

このブログとの出会いで”目の前の大切な人と向き合う”想いを大事にするキッカケになれば嬉しい。

そんな想いを込めて俺の恋愛経験を振り返りながら今日に至るまでの道のりを紹介させて貰います。

 

上司と部下の始めての社外交流

 

とある日曜日

休日だったが溜まっていた仕事を片付ける為に出社した
彼女は通常の出勤日だったので会社にいた

最近では仕事を任せても然程不安ではなくなったので彼女の仕事には口出しせずに自分の仕事に没頭していた

 

そして昼も過ぎた頃

ちょっとした空腹感もあり昼食に出ようかと彼女にそれとなく声を掛けた

 

「勤務中です・・・いいんですか?」

 

彼女は真面目だ

 

『日曜日だし来客もないし別に良いよ。支店長がいいって言ってんだから行くぞ』

 

今思うと職権乱用も甚だしい

しかし自由な社風だったし日曜日だし、俺支店長だしって事で事務所空っぽにして少し遅い昼食を取る為に出掛けることに

 

初めて一緒に食卓を囲んだのはカラオケ屋だった

 

何を食べるか考えながら街をぶらつく

彼女のリクエストも求めず自分主導で選ぶ気満々の自己中

 

洋食って気分でもないし丼物・・・いや、ラーメンもいいな・・・

 

珍しく即決できずに街をぶらつきながら一軒のカラオケ屋の前で足が止まった

 

『カラオケ屋で歌いながら何喰うか考えるのもアリだな』

 

思い立ったが吉日

週末の昼間にカラオケ屋

最近じゃカラオケ屋もメニュー豊富だしいざとなったら飯も一緒に済ませちゃえ

 

既に脳内は【カラオケ>飯】である

ちなみに彼女はカラオケに行っても歌わない

それは彼女の入社歓迎会で既に把握済みである

 

『次新人いけ!』

「いえ、わたしカラオケしないので」

『・・・1曲くらい何かいけない?』

「・・・わかりました、では」

 

聞いてください 松任谷由実さんで 「春よ、来い」

 

結構雰囲気似ててそれなりに聞き入ってしまった

 

しかし彼女はこの後自分の入社歓迎会で一曲だけ歌って早々に中座すると言う離れ技をやってのけたのだ

中座する理由は「門限」・・・だと

自由に生きてきた俺には到底理解できない24歳社会人の「門限」

そして1曲だけのシチュエーションでこの曲を選んだ彼女のバックボーンをなんとなく想像してしまった

 

まあそれはさておき

そんな彼女を引き連れて日曜日のカラオケ屋へいざ行かん

時間はもちろん3時間パックだ

 

間奏中は絶好のランチタイム

 

二人でカラオケに行っても歌うのはどうせ俺一人

判っている事なので取り合えずフードメニューを開いて飯を決める

ちゃっちゃと決める

既に目的は飯ではなく歌である

実は俺はカラオケが大好きなのだ

今では「ヒトカラ」なんて言葉もあるけど昔はそんな言葉無かった

一人でカラオケ来る奴なんてメッチャ白い目で見られたもんだ

だから俺はいつも我慢してたけど

本当なら週に2.3回はカラオケしたいし一回言ったら2.3時間はぶっ通しで歌いたい

そんな俺の一人フェスが始まっても彼女は坦々と飯を喰らい歌に耳を傾ける

退屈そうなそぶりも見せずにチャンと聞いている

歌い手としては悪い気はしないもんだ

下手な合いの手はいらない

「聞いてくれている」事が大事なのだ

そうして俺は冷めたカレーライスを狂ったように口の中に放り込み急いで飲み込む

間奏が終わってしまう前に

 

 

シリーズ嫁は一生の恋人:次回「続・断らない女」

お見逃しなく。